サテライトオフィスがもたらした障害(バリア)の解消―パートナーと引き出す“一人ひとりが輝く雇用の姿”

株式会社ポピンズエデュケア
人材開発部ゼネラルマネージャー 長谷川様
| 利用目的 | 法定雇用率未達成であったことをきっかけに、障がい者雇用を前向きに推進。単なる義務対応ではなく、働く女性の支援というミッションに沿った取り組みとして位置づけ、郊外オフィスを活用したパレットの雇用モデルに共感し、導入を決定。 |
| 課題 | 各施設で働く障がい者スタッフに対しての暗黙知に頼ったサポート体制では再現性がなく、サポートやつながり不足による早期離職者が発生。継続雇用の仕組みづくりに悩んでいた。 |
| 利用効果 | 雇用した方々と関わりながら特性を理解することで、「あれもお願いできそう」という発想が広がり、健全な仕事の割り振りが可能に。これまでの先入観やバリアがなくなり、一人ひとりに合った新しい業務を任せられる環境になっている。 |
法定雇用率未達成から始まった取り組み―郊外オフィスへの共感が導入の決め手
当社は、「働く女性を最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」をミッションとし、全国で約320の保育・学童施設を運営しています。
障がい者雇用を推進し始めたきっかけとしては、恥ずかしながら法定雇用率未達成ということが前提にありました。そのタイミングでたまたまパレットのサービスの案内をいただいたものですから、「すぐに進めなければ!」とスタートいたしました。
一番の決め手は、パレットがサテライトオフィスを都心ではなく郊外に多く構えていることです。私は長らく都心で仕事をしてきましたが、都心でお仕事を探している障がい者の方は少なく、障がい者雇用の競争が激しいんです。なかなかいいご縁がなく、大変だと感じていました。郊外にサテライトオフィスを構えることで、通勤時間を短縮して地域で働きたい方の可能性を広げられるという仕組みに、シンプルに「なるほど」と思ったと同時に、そこで我々が人材を募集することで何かしらの社会貢献につながるのではないかと期待感が高まりました。
現在弊社が運営する保育施設などには40人ほどの障がい者の方々が勤務されています。みなさんそれぞれ全く異なる特色をお持ちですので、ケアの仕方にマニュアルがないんですよね。一緒に働く同僚の方だったり、その施設のスタッフサポート側の方だったりが、実際に働きながら積み重ねた経験をもとに練り上げたものはある。でも、それは残念ながら明文化されたものではなく、お一人お一人の暗黙知として蓄積されています。本社としても、全体に対して安定した十分なサポートを行き渡らせることができず、せっかく想いをもって入社いただいた方が早期離職してしまう状況に、もどかしさを感じていました。
やりがいを生む工夫と現場に近い仕事への挑戦

障がい者雇用を進めるにあたり、障がい者の方にお任せする業務は最初から決めていました。「採用したはいいものの、何をしてもらおう…?」と後からなってしまっては本末転倒だと思っていたので。
現在は、ホールディングス全体の書類をデータ管理できるよう、スキャンとデータ化の作業をお願いしています。本社には書類が入った段ボールがまだまだ相当な数あるので、本当に助かっています。ほかにも、全国の施設に必要なものを一斉に届ける発送業務が突発で発生するので、本社のスタッフも一緒になってみんなで発送作業をやることもあります。
また、昨年5月からの雇用を通じ、個々人のパフォーマンスレベルが見えてきたこともあります。今後できたらいいなと思っていることは、イベント時(運動会、クリスマス、お遊戯会等)の制作です。折り紙などで作る飾りをサテライトオフィスで大量生産できたら、現場の負担(残業等)を和らげることができますし、自分たちが作ったものが実際に子どもたちに届けられて役立っているというやりがいを感じることができますよね。ほかにも、社宅の管理業務などの新たな業務についても、「この方だったらお願いできるよね」と社内で話しているところです。
サテライトオフィスのブース内には、保育園にも置いているぬいぐるみを置いています。ご自身がやってらっしゃるお仕事が、お子様を通じて親御さんにも届き、世の中に貢献している実感を常に持っていてほしいというのが私の一番の願いです。さらに、希望する方には、本社や施設での勤務、資格取得など、キャリアパスの可能性も広げていきたいです。
バリアを超えて広がる発想―レポートが支える安心感
障がい者雇用を進める中で、社内の空気が大きく変わりました。その象徴が、業務の割り振りに対する考え方です。今まではこちらで勝手に無理だろうと決めつけていた業務も、雇用した障がい者の方お一人お一人と関わりながら特性を理解することで、「あれもお願いできそう!」という発想が広がり、純粋で健全な仕事の割り振りができている気がします。こちらが勝手に張っていたバリアがなくなってきた感覚がすごくあるんです。
この社内の変化を支えてくれているのが、パレットの週次と月次の個人レポートです。レポートの内容を見ると、お一人お一人をしっかりと観察したうえで密にコミュニケーションをとってくださっていることがよくわかります。ご家庭の状況など、普通他人にはなかなか言いづらいようなことまで引き出されていて、詳細に汲み上げた情報をレポートしてくださるので、担当者も気づきにくい変化や本人の想いまで把握でき、遠隔であっても安心感があります。本社との距離はあるのに、不思議と隣の部屋でみなさん仕事をしているかのようです。
また、障がい者雇用を推進し始める前は、法定雇用率が何%だとか、障がい者の方の特性がどうだとか、部内でも社内でも議論すること、というか話に出ることすらなかったんですね。しかし、パレットとの取り組みを通じて経営陣の関心も高まり、経営方針決定会議の中で法定雇用率や障がい者雇用の今後の方針について説明されるようになったんです。
専門的なサポートで実現する“輝ける環境” ―障がい者雇用を義務ではなく文化へ
パレットとの取り組みを通して、我々一般企業の専門家ではないメンバーだけで、雇用した障がい者の方々が自分の能力を発揮して輝ける環境を作るのは難しいんだと改めて感じました。パレットによるサポートがあるから、我々はお一人お一人の特性の理解ができ、それぞれに合った新しいお仕事をお願いできるんです。ただ単に勤怠の管理をするのではなく、その人に合った仕事の提案や役割の分担を考えるのは、障がいのあるなしに関わらず、企業として当然のことですよね。
我々が目指すのは、“一人ひとりの可能性を広げ、輝かせる雇用”です。障がい者雇用を単なる義務ではなく企業文化として根付かせ、理念を体現していきます。

企業情報
| 社名 | 株式会社ポピンズエデュケア |
| 事業内容 | 子育て支援サービス 子育て事業コンサルティング |
| URL | https://www.poppins.co.jp/educare/ |