57名の障がい者雇用を支える仕組み—大規模運営で見えてきた第三者支援の役割

株式会社コプロコンストラクション
株式会社コプロ・ホールディングス 人事部 人事企画課 古田様
| 利用目的 | 法定雇用率の達成に向けた障がい者雇用を進める中で、長期的に活躍できる環境づくりと、大規模な運営体制の構築を目的に導入。 |
| 課題 | 障がい者雇用に関する知見や自社業務切り出しのノウハウが不足しており、特に40名規模での運営にあたり、障がい者スタッフのマネジメントや相談対応を担う体制づくりが課題だった。 |
| 利用効果 | 土浦40名・名古屋17名、合計57名規模の障がい者雇用を安定的に運営。現場管理者とパレットスタッフが連携する体制が構築され、自社業務への展開や一人ひとりの成長を支える環境づくりが進んでいる。 |
大規模運営のスタート
当社グループは、建設エンジニアの皆様が、全国のプロジェクト現場でイキイキと活躍し、成長し続けられる環境づくりに取り組んでいます。
2026年8月現在、Canvas土浦オフィスで40名、Canvas名古屋オフィスで17名、合計57名の障がい者スタッフが働いています。当社が障がい者雇用に取り組み始めたきっかけとしては、法定雇用率への対応がありました。人材サービス企業という特性上、従業員数は増え続けていますので、まずは法定雇用率を達成する必要がありました。
ただ、それだけではありません。私たちがパーパスとして掲げている『最高の「働き方」と最高の「働き手」を。』という考え方は、障がいのある方にも同じように当てはまるものだと思っているので、単に雇用するのではなく、当社の一員として長く安定して活躍していただける環境をつくることも重要だと考えていました。

現場運営を支える体制
障がい者雇用を進めるにあたっては、自社採用も検討しましたが、障がいに関する知識を持った社員が社内にほとんどおらず、業務の切り出しも何から始めればいいか分からない状態でした。そのため、外部支援サービスの活用も並行して検討しており、その中で重視していたのは、「運営を支える体制があること」でした。特に、専門的な知識を持つ方からサポートを受けながら進められること、そして週次面談やこまめな記録共有があることは大きな魅力でした。土浦オフィスについては、少しずつ増員していったわけではなく、当初から40名規模を想定してスタートしています。だからこそ、運営面のサポートは非常に重要でした。
実際に運営が始まると、想像以上に障がい者スタッフからの相談や質問が多いことに驚きました。業務に関する質問だけではなく、「話を聞いてほしい」という相談もありますし、私一人だけでは、どこまで聞いていいのか、どこまで踏み込んでいいのか判断できない場面も数多くあります。そんなとき、同じ建物内にパレットのスタッフさんが常駐していてすぐに相談できる環境にとても助かっています。パレットのスタッフさんも当社スタッフの個性や特性を普段から把握してくれているので、私が相談すると、ベストな対応を判断の背景まで含めてスピーディーに回答してくれます。
私が特に信頼している点は、パレット側に「ここまではやるけれど、ここから先はやらない」という明確な線引きがあることです。だからこそ、当社スタッフに対しても自信を持って説明できますし、「本社・現場・パレット」が同じ方向を向いている感覚はとても心強いです。障がい者スタッフのサポートだけではなく、管理者側の相談相手にもなっていただいています。
向き合うことで見えてきた、一人ひとりの可能性
個人的に、障がい者スタッフと関わる中でまず驚いたのは、皆さんが自分自身をとてもよく理解していることです。「私はこう説明してもらわないと分からない」「こういう言い方は苦手です」「こういう順番で伝えてください」などの“自分の取扱説明書”をみなさん持っているんです。最初の頃は、「社会人ならそこは自分で努力して乗り越えるものではないのか」と思ってしまう部分もありました。でも、それは私自身の知識不足だったことに気が付きました。本人が伝えてくれる特性を一旦そのまま受け入れて、それに合わせた伝え方をすると、本当に驚くほど伝わるんです。むしろ、私の方が学ばせてもらっている感覚でした。

特に印象に残っているスタッフがいます。ある自社業務にチャレンジしていたのですが、なかなかうまくいかず、質問も非常に多かった方でした。正直なところ、途中で私は「もう難しいのではないか」と半分諦めていたんです。でも、その方は諦めませんでした。毎日少しずつ取り組み続けて、分からないことを聞き続けて、何度も挑戦していました。そして最終的には、一人でその業務をこなせるようになりました。その時、「できない」と決めつけていた自分がとても恥ずかしくなりました。本人は最初から、自分ができることを信じていたんだと思います。できるようになった姿を見た時は本当に涙が出るほど嬉しかったですし、この出来事をきっかけに、自分自身の固定観念が良い意味で崩れ、障がい者スタッフとの向き合い方が大きく変わりました。「障がい」自体を注視するのではなく、一人ひとり違う個性や特性を理解して受け入れることの方がずっと大切だし意味のあることなんだと気付かされました。
法定雇用率達成のその先へ

今後は、自社業務の切り出しをさらに進めていきたいと考えています。現在も一部の自社業務はお願いしていますが、今後はもっとコプロの事業そのものに関われる機会を増やしていきたいんです。自分がコプロの社員なんだという実感や責任感を持つことは、モチベーションや定着にもつながると思っています。また、今後はそれぞれの強みや適性をもっと見極めながら、ポテンシャルを発揮できる仕事を任せられるようにしていきたいですね。障がいの有無に関係なく、さまざまな人が活躍し、お互いを尊重しながら働く文化を会社に定着させていきたいと考えています。
私たち自身も最初は法定雇用率の達成という「義務感」に追われていた部分がありました。でも取り組みを続ける中で、その考え方は大きく変わりました。例えば、最初は不安定だった方の勤怠が少しずつ安定していったり、できなかったことができるようになったり。そうした成長を間近で見られることは、大きなやりがいになっています。障がい者雇用は義務として捉えるのではなく、多様な人材の強みや可能性を組織に活かすための前向きな投資でもあります。最初から完璧を目指す必要はなく、一人ひとりと向き合いながら少しずつ進めていく。その積み重ねが、働く方にとっても企業にとっても良い変化につながるのだと実感しています。
企業情報
| 社名 | 株式会社コプロコンストラクション |
| 事業内容 | 建設エンジニアリング事業 プラントエンジニアリング事業 エンジニア研修事業 |
| URL | https://www.copro-construction.co.jp/ |